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価格は確率:予測市場のオッズの見方をわかりやすく解説(2026年)

2026年9月更新・2026年9月24日に出典を確認・財務上の助言ではありません

PolymarketとKalshiでは、Yesシェアは出来事が起きれば$1、起きなければ$0を支払うため、セント単位の価格は、市場が見積もったおおよその確率(%)として読めます。Yesシェアが62¢なら、確率はおよそ62%です。ただし、これはあくまで見積もりであって約束ではなく、スプレッド、手数料、取引の少なさ、結果確定までの期間の長さ、市場の厳密なルールによって、表示される数字が本当の確率からずれることがあります。

このページでは、画面の数字が実際には何を表しているのか、ブックメーカー式のオッズへの換算方法、手数料による影響、数字が誤解を招く場面、そしてこうした価格がどれほど正確だったかについての研究を説明します。価格の仕組みを説明するものであり、取引を勧めるものではありません。予測市場について初めて知る方は、まず予測市場とはをご覧ください。

基本ルール:62¢のシェアはおよそ62%の確率を意味する

予測市場の契約の多くは、YesかNoで答える問いです。Yesシェアは出来事が起きれば$1、起きなければ$0を支払い、Noシェアはその逆です。価格は$0から$1の間で動くため、Yesの価格が62¢ならおよそ62%と読め、対応するNoの価格約38¢は、出来事が起きない確率がおよそ38%であることを示します。

なぜそうなるのか:支払額が$1に固定されているため、シェアの価値は「当たる確率 × $1」になります。確率を70%と考えるトレーダーにとって、Yesシェアの価値は0.70 × $1 = 70¢で、そのあたりまでなら払ってもよいと考えます。55%と考えるトレーダーにとっての価値は55¢で、それより高ければ売ってもよいと考えます。価格が安すぎると考える人の買いと、高すぎると考える人の売りによって、価格はトレーダー全体の見方へと近づいていきます。

プラットフォームも米国の規制当局も、価格を同じように説明しています。Polymarketのドキュメントは「価格は、その結果の確率についての市場の見方を直接表す」としています。Kalshiのヘルプセンターは、70%のコンセンサスがYes 70¢、No 30¢として表示される例を挙げており、同社のブログは、Yesの価格がpセントなら「およそp%」を意味するとしています。CFTCの予測市場ガイドも、70セントの価格をおよそ70%のインプライド確率と読んでいます。

YesとNoは表裏の関係です。Polymarketでは、$0.60のYes注文と$0.40のNo注文は合計$1.00になり、新しいYesシェアとNoシェアを一つずつ発行することで約定させられます。KalshiのAPIドキュメントは、同じ関係を反対側から説明しています。価格XのYesのビッドは、価格$1.00 − XのNoのアスクと同じです。したがって、Noの最良ビッドが$0.56なら、Yesの最良アスクは$1.00 − $0.56 = $0.44です。

見ているのはどの数字?

市場には同時にいくつもの価格があり、ページに大きく表示される確率はその一つにすぎません。重要なのは次の価格です。

  • ビッド(bid):現在、誰かが買うために提示している最も高い価格です。今すぐ売れば、この価格を受け取ることになります。
  • アスク(ask):現在、誰かが売ってもよいとしている最も低い価格です。今すぐ買えば、この価格を払うことになります。
  • スプレッド(spread):アスクからビッドを引いた差です。Polymarketのドキュメントによると、スプレッドが狭いほど流動性の高い市場であることを示します。
  • 仲値(midpoint):ビッドとアスクのちょうど中間で、(ビッド + アスク) ÷ 2です。実際にこの価格で取引されるとは限りません。
  • 直近の約定価格(last trade):最後に約定した価格です。数分前のこともあれば、数時間前や数日前のこともあります。

Polymarketが表示する数字:Polymarketのドキュメントとヘルプセンターによると、表示価格はビッドとアスクの仲値で、スプレッドが$0.10より広い場合は代わりに直近の約定価格が表示されます。Polymarket自身の例では、ビッド34¢とアスク40¢から(0.34 + 0.40) ÷ 2 = 0.37となり、37%と表示されます。しかし、今すぐ買えばアスクの40¢を払い、今すぐ売ればビッドの34¢を受け取ることになります。その時点で37¢で取引している人はいません。

Kalshiが表示する数字:Kalshiのヘルプセンターとブログは、価格は市場の確率を反映しているとしていますが、大きく表示される確率が直近の約定価格なのか、仲値なのか、それ以外なのかを説明したKalshiのページは見つかりませんでした。Polymarketと同じルールだと決めつけず、その市場に表示されているビッドとアスクを確認してください。

板の使い方を順に解説したガイド:Polymarketでの買い方とPolymarketでの売り方。各プラットフォームの全体的な仕組み:PolymarketとKalshi。

スプレッドと板の厚み:表示される確率が当てにならないとき

スプレッドが狭ければ、買い手と売り手の見方がおおむね一致しているため、仲値は市場の見方をうまく要約しています。スプレッドが広い場合、市場が実際に示しているのは「ビッドとアスクの間のどこか」であり、一つの確率ではその幅が見えなくなります。

計算例(仮定):ビッドが20¢、アスクが35¢だとします。スプレッドは35 − 20 = 15¢で10¢より広いため、Polymarketは仲値ではなく直近の約定価格を表示します。その約定が数時間前の31¢だったなら、ページには31%と表示されますが、今この瞬間に買えるのは35¢、売れるのは20¢です。正直な読み方は「20%から35%の間のどこか」です。

板の厚み:最良ビッドと最良アスクが通用するのは、その価格で待機しているシェアの分だけです。Polymarketは注文数量に上限を設けていませんが、価格を大きく動かさずに、あるいはそもそも、特定の数量を取引できる保証はないと注意しています。たとえば、40¢に100シェア、42¢に100シェア、45¢に500シェアの売り注文がある場合(仮定)、$100で買えるのは、まず100 × $0.40 = $40.00分、次に100 × $0.42 = $42.00分、残りの$18.00 ÷ $0.45 = 40シェアです。合計240シェアで、平均価格は手数料を除いて$100 ÷ 240 = 41.67¢になります。

ですから、表示された確率を市場の見方として読む前に、ビッド、アスク、それぞれの価格に並んでいるシェアの数、直近の約定がいつだったかを確認してください。下のチェックリストにまとめています。

価格をデシマル・フラクショナル・アメリカ式オッズに換算する

インプライド確率(暗黙の確率)は、ドル建ての価格を100倍するだけで求められます。$0.37なら37%です。一方、スポーツベッティングではオッズで考えるのが一般的です。以下の標準的な換算式では、ドル建ての価格p(0から1の間)をそのまま使い、手数料は考慮していません。

  • デシマルオッズ = 1 ÷ p。賭け金$1あたりに戻ってくる総額で、賭け金も含みます。
  • フラクショナルオッズ = (1 − p) ÷ p。賭け金一単位あたりの利益で、「利益/賭け金」の形で書きます。
  • アメリカ式オッズ:50¢未満では+100 × (1 − p) ÷ pで、$100を賭けたときの利益を表します。50¢超では−100 × p ÷ (1 − p)で、$100の利益を得るのに必要な賭け金を表します。ちょうど50¢では+100(−100と同じ)です。
価格インプライド確率デシマルオッズフラクショナルオッズアメリカ式オッズ
10¢10%1 ÷ 0.10 = 10.000.90 ÷ 0.10 = 9/1+100 × 0.90 ÷ 0.10 = +900
25¢25%1 ÷ 0.25 = 4.000.75 ÷ 0.25 = 3/1+100 × 0.75 ÷ 0.25 = +300
50¢50%1 ÷ 0.50 = 2.000.50 ÷ 0.50 = 1/1(イーブン)+100(−100と同じ)
75¢75%1 ÷ 0.75 = 1.333…(4/3)0.25 ÷ 0.75 = 1/3−100 × 0.75 ÷ 0.25 = −300
90¢90%1 ÷ 0.90 = 1.111…(10/9)0.10 ÷ 0.90 = 1/9−100 × 0.90 ÷ 0.10 = −900

Kalshi自身のブログも、同じようなフラクショナルオッズの例を挙げています。Yesを25¢で買うことは、75¢を得るために25¢をリスクにさらすことで、三対一(3-to-1)にあたります。50¢は1-to-1、75¢は1-to-3です。

オッズから確率に戻す:デシマルオッズdなら1 ÷ d、アメリカ式の+Aなら100 ÷ (A + 100)、アメリカ式の−AならA ÷ (A + 100)です。つまり、+150は100 ÷ 250 = 0.40で40%、−200は200 ÷ 300 = 0.667で約66.7%です。

手数料を含める場合:pの代わりに、シェアに実際にかかる費用、つまり価格にシェアあたりの手数料を加えた額を使います(次の節を参照)。Polymarketの政治カテゴリの料率0.04では、25¢のシェアのテイカー手数料は0.04 × 0.25 × 0.75 = $0.0075なので、費用は$0.2575です。デシマルオッズは4.00から1 ÷ 0.2575 = 3.88に、アメリカ式オッズは+300から+100 × 0.7425 ÷ 0.2575 = +288に下がります。

答えが複数ある市場:価格の合計は100%になる?

選挙で誰が勝つかのように答えが複数ある問いは、結果ごとに一つずつのYes/No市場の集まりで、それぞれにYesとNoの価格があります。Polymarketの「negative risk」(ネガティブリスク)グループでは、Yesで確定する市場はちょうど一つだけで、ほかはすべてNoで確定します。また、ある結果のNoシェア一つは、ほかのすべての結果のYesシェア一つずつに変換できます。

表示される確率の合計が100%にならなければならないというルールは、PolymarketもKalshiも公表していません。以下はプラットフォームのルールではなく、単なる算術です。ちょうど一つの結果だけが$1を支払う場合:

  • アスクの合計は、およそ$1かそれ以上になるはずです。もし合計がそれより小さければ、すべての結果のYesを一つずつ買う費用が、手数料を除いて、そのうち一つが必ず支払う$1を下回ることになり、買いが入って価格が押し上げられます。
  • ビッドの合計は、およそ$1かそれ以下になるはずです。理屈は上の逆です。
  • 表示される数字は、100%を上回ることも下回ることもあります。仲値、古くなった直近の約定価格、端数処理の合計が、ちょうど一致するとは限らないからです。
計算例(結果が三つある仮定の市場):アスクが52¢、31¢、20¢なら、0.52 + 0.31 + 0.20 = $1.03です。ビッドが48¢、28¢、17¢なら、0.48 + 0.28 + 0.17 = $0.93です。仲値は50¢、29.5¢、18.5¢で、0.50 + 0.295 + 0.185 = $0.98となり、合計は98%と表示されることになります。

アスクの合計で超過している3¢は、すべての結果を一度に買う場合のコストです。これは取引所が取る手数料ではなく、スプレッドから生じています。各アスクを合計で割ると、合計が100%になるよう調整できます。0.52 ÷ 1.03 = 50.5%、0.31 ÷ 1.03 = 30.1%、0.20 ÷ 1.03 = 19.4%です。

実際の市場でも同じことが起きています。Forbesによると、2025年のニューヨーク市長選の民主党予備選の当日夜、Kalshiではクオモ氏が53%、マムダニ氏が48%で、合計は101%でした。

手数料込みの損益分岐点:価格+シェアあたりの手数料

今すぐ買う場合(「テイカー」として)、ほとんどの市場ではアスクに加えて手数料を払います。結果確定まで保有するなら、損益分岐となる確率は(支払った価格 + シェアあたりの手数料)÷ $1です。ポジションに払った費用だけの価値があるためには、その結果がこれより高い確率で起きる必要があります。ここでは金利や保有報酬は考慮していません。途中で売る場合は、スプレッドに加えて、ほとんどの市場でもう一度テイカー手数料がかかります。以下の料率は2026年9月時点のもので、頻繁に変わります。Polymarketの手数料を解説、Kalshiの手数料を解説、手数料計算ツールで確認してください。

  • Polymarket(polymarket.com):手数料 = シェア数 × 料率 × 価格 × (1 − 価格)で、テイカーだけに課されます。「メイカーに手数料が課されることはありません」。カテゴリ別の料率は、暗号資産が0.07、スポーツ・経済・カルチャー・天気・その他が0.05、金融・政治・メンション・テックが0.04、地政学が0です。手数料は小数点以下5桁に丸められます。
  • Polymarket US(別サービスの米国アプリ):テイカーの手数料 = 0.0695 × 契約数 × 価格 × (1 − 価格)で、最大は50¢で100契約あたり$1.74です。セント単位に丸められます(銀行型丸め)。メイカーは同じ計算式で0.0125の率のリベートを受け取ります。
  • Kalshi:テイカー手数料 = 0.07 × 契約数 × 価格 × (1 − 価格)の切り上げで、Kalshi自身の表では、たとえば50¢で100契約あたり$1.75です。手数料表には0.0175のメイカー用の計算式もありますが、メイカーの乗数は標準で0なので、メイカーは一般に手数料を払いません。ただし、メイカー手数料を課すシリーズや、手数料がまったくかからないシリーズもあります。決済手数料はありません。
取引先と料率シェアあたりの手数料損益分岐となる確率
Polymarket・地政学(0)$040.00%
Polymarket・政治(0.04)0.04 × 0.40 × 0.60 = $0.009640.96%
Polymarket・スポーツ(0.05)0.05 × 0.40 × 0.60 = $0.012041.20%
Polymarket・暗号資産(0.07)0.07 × 0.40 × 0.60 = $0.016841.68%
Polymarket US・テイカー(0.0695)0.0695 × 100 × 0.40 × 0.60 = $1.668、丸めて100契約あたり$1.67 = $0.016741.67%
Kalshi・テイカー(0.07)0.07 × 100 × 0.40 × 0.60 = 100契約あたり$1.68 = $0.016841.68%

セント単位で見ると、価格が両端に近いほど手数料の影響は小さくなりますが、比率で見ると必ずしもそうではありません。アスクが90¢の場合、Polymarketの政治カテゴリの手数料は0.04 × 0.90 × 0.10 = $0.0036で、損益分岐点は90.36%です。Kalshiの表では100契約あたり$0.63なので、損益分岐点は90.63%です。アスクが5¢の場合、政治カテゴリの手数料は0.04 × 0.05 × 0.95 = $0.0019で、損益分岐点は5.19%となり、相対的には価格より0.19 ÷ 5 = 3.8%高くなります。

Kalshiの端数処理ははっきりしません。手数料表(2026年7月7日発効)には、手数料と費用の合計がセンチセント($0.0001)単位になるよう手数料を切り上げるとありますが、同じ手数料表の中の表はセント単位で丸めており、APIドキュメントはさらに別の方法を説明しています。大きな注文ではほとんど影響がなく、上の100契約の例はKalshiの表と一致します。しかし、5¢で一契約だけ買う場合は違いが出ます。0.07 × 0.05 × 0.95 = $0.003325は、センチセント単位で切り上げれば$0.0034(損益分岐点5.34%)、セント単位で切り上げれば$0.01(損益分岐点6.00%)になります。

仲値の落とし穴:政治カテゴリの市場で、Polymarketが37%(ビッド34¢、アスク40¢)と表示しているとします。今すぐ買うとシェアあたり0.40 + 0.0096 = $0.4096かかるため、損益分岐点は37%ではなく約41%です。

板で待つ注文:板に並んで後から約定した指値注文には、Polymarketでは手数料がかからず、Kalshiでも標準では手数料がかかりません。そのため38¢で約定すれば、損益分岐点は38%です。Polymarket USではメイカーがリベートを受け取ります。−0.0125 × 100 × 0.38 × 0.62 = −$0.2945で、100契約あたり約$0.29が戻るため、損益分岐点は約37.7%です。

結果確定前に売る場合:この計算式は売りにも適用されます。政治カテゴリの市場で40¢で買い、後で40¢で売り、どちらもテイカーだった場合、費用はシェアあたり0.0096 + 0.0096 = $0.0192となり、価格が動いていないのに1.92¢の損失になります。これらの例では、Polymarketのテイカー向けリベートプログラムや、一定の取引量を超えたトレーダーに手数料の一部を戻すPolymarket USの取引量リベートは考慮していません。

価格が確率と一致しないとき

価格を確率として読むのは、最初の近似としては有効ですが、両者は同じものではありません。それがどんなときに成り立つのかを、経済学者が研究しています。

  • リスクに対する姿勢と見方の違い:WolfersとZitzewitzは、幅広いモデルにおいて、価格は通常トレーダーの平均的な見方に近く、その差はたいてい一パーセントポイント以内で、基準となるケースでは完全に一致することを示しました。差が最も大きくなるのは、価格が$0や$1に最も近いときです。Manskiは、トレーダーがリスク中立的で見方が分かれている場合、価格はトレーダーの見方がどれほどばらついているかについて何も語らず、平均的な見方を価格を中心とした一定の範囲内に絞り込むにすぎないことを示しました。
  • お金の時間価値と保有報酬:ポジションに投じた資金は、結果確定まで拘束されます。外部の金利をr、残り期間をT年とすると、リスク中立的なトレーダーは、最終的にqの価値があるシェアにおよそq ÷ (1 + r)^Tを支払います。したがって、r = 4%で残り一年なら、90¢という価格は、およそ0.90 × 1.04 = 0.936、つまり93.6%という見方と矛盾しません(当サイトによる試算)。現在はどちらのプラットフォームも利息に似た報酬を支払っており、当サイトの考えでは、これがこの差を縮めます。Polymarketは対象市場で変動制の保有報酬(Holding Rewards)を支払っており、執筆時点では年4.00%です。Kalshiは、残高が$250以上の対象となる米国の会員に、現金と未決済のポジションに対して変動制で3.25%を支払っています。
  • 手数料:前述のとおり、買い手の損益分岐点は表示価格より上に、売り手の損益分岐点は下にあります。価格を動かすのにかかる手数料が得られる利益を上回るというだけの理由で、価格が本当の確率から少しずれたままになることがあります。
  • 薄い板と大口トレーダー:厚みのない市場では、一つの注文で価格が大きく動くことがあります。RothschildとSethiによると、2012年、Intradeのあるトレーダーはロムニー氏の勝利に賭けられた全賭け金の三分の一超を占め、選挙当日には価格を維持するために$375,000超を投じ、$7M近くを失いました。一方、Iowa Electronic Marketsに関する研究では、相場操縦の試みの効果は短期間しか続かないことがわかっています。2024年には、あるトレーダーがPolymarketの四つのアカウントを使ってドナルド・トランプ氏に約$28.6Mを投じていました(NBC News)。Polymarketは、このトレーダーが市場を操作したことをうかがわせる情報は確認していないとしています。
  • ルールの文言:価格が表すのは、その契約が明文化されたルールのもとでYesで確定する確率であり、それは見出しの問いと常に同じとは限りません。Kalshiのある市場は、アリ・ハメネイ師が2026年3月1日より前にイランの最高指導者の座を離れるかを問うものでした。同師が2026年2月28日に死亡した後、Kalshiはルールにある死亡時の例外規定を適用し、死亡前の最終取引価格で決済しました。この市場の取引高は約$54Mで、トレーダーらは2026年3月5日に集団訴訟を起こしました(2026年3月9日のCasinoBeatsの報道による)。Polymarketは、自社のハメネイ師関連の市場で支払いを行いました。Polymarketにも、2025年のウクライナの鉱物資源協定の市場や、ゼレンスキー氏がスーツを着たかを問う市場など、結果確定をめぐって争いになった例があります。
  • ロングショット・バイアス:安い契約は、価格が示すほどには当たらないことが多くありました。根拠は次の節で紹介します。

予測市場はどれくらい正確だったか?

一つの結果だけでは、価格が正しかったか間違っていたかはわかりません。53%の本命は、およそ47%の割合で負けるはずだからです。精度は多数の市場を通して判断します。キャリブレーション(calibration)は、X%と値付けされた出来事が実際にほぼX%の割合で起きたかどうかを見ます。Brierスコア(Brier score)は(予測 − 結果)²の平均で、結果は1か0です。0が完璧で、常に50%と予測すると0.25になります。70%の予測は、出来事が起きれば(0.70 − 1)² = 0.09、起きなければ(0.70 − 0)² = 0.49です。

独立した研究からわかること

  • 初期の研究:WolfersとZitzewitzは2004年のレビューで、市場の予測はかなり正確で、「ある程度洗練されたほとんどのベンチマーク」を上回っていると結論づけました。1988年から2004年までの五回の米大統領選で、Iowa Electronic Marketsと964件の世論調査を比べたBerg、Nelson、Rietzは、市場のほうが結果に近かった割合を74%としています。Arrowらは、選挙前夜の平均誤差が、市場では約1.5ポイント、Gallupの最終世論調査では2.1ポイントだったと報告しています。
  • 長い期間:Intradeの1,787の市場を調べたPageとClemenは、満期が近い価格はかなりよくキャリブレーションされている一方、先の出来事ほど大きな偏りがあることを示しました。全体では、0.20の価格に対して実際の発生頻度は15.3%、0.80の価格に対しては87.4%でした。KalshiとPolymarketの2.92億件の取引を分析したLeの2026年のプレプリント(査読前論文)も同様に、期間の長い価格は50%に向かって圧縮されているとしています。
  • 2024年の米国選挙:ヴァンダービルト大学のClintonとHuangによるワーキングペーパーは、Iowa Electronic Markets、Kalshi、PredictIt、Polymarketの2,500を超える市場を対象としており、最後の五週間の取引額は$2.4Bでした。この論文によると、同一の契約の価格が取引所によって異なっており、裁定機会は最後の二週間に最も多くなりました。報道では、的中率はPredictItが93%、Kalshiが78%、Polymarketが67%とされていますが、各プラットフォームが上場していた市場は異なるため、同じ条件での比較にはなっておらず、Kalshiはこの方法に異議を唱えています。

フェイバリット・ロングショット・バイアス(favorite-longshot bias)

賭けの市場では、大穴には過剰に、本命には過小に賭けられる傾向があり、そのため安い契約は価格が示すほどには当たりません。競馬を研究したSnowbergとWolfersは、確率の誤認がこのパターンを生んでいると結論づけています。

  • Kalshi:ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのBürgi、Deng、Whelanによるワーキングペーパーによると、Kalshiの契約の平均リターンは約−20%で、メイカーは−9.64%、テイカーは−31.46%でした。10¢未満の契約の買い手は資金の60%超を失い、5¢の契約が当たったのは約2%だった一方、50¢を超える契約はわずかなプラスのリターンでした。また、満期が近づくにつれて価格はより正確になりました。
  • Polymarket:証拠はまちまちです。4.78億件を超える取引を対象としたReichenbachとWaltherのワーキングペーパーは、価格は実際の確率によく追随し、ブックメーカーのオッズをわずかに上回り、全般的なロングショット・バイアスは見られないとしています。5.88億件の取引を対象としたCardozoとRivero-Wildemauweの2026年9月のプレプリントは、10¢未満の契約のリターンが均等加重で−6.30%、金額加重で−19.35%だった一方、親イベントごとにまとめると+4.09%で、スポーツは例外だったとしています。答えは、期間、カテゴリ、リターンの数え方によって変わります。

各プラットフォームの自己評価(自社公表)

  • Polymarketの精度ページ(自社公表):首位の結果が実際の結果と一致した割合は、結果確定の一か月前で90.2%、一週間前で94.2%、一日前で96.4%、十二時間前で97%、四時間前で98.5%で、Brierスコアは0.0627です。このページには、サンプル数、対象期間、どの価格を使ったかが書かれていません。また、確定した市場の77.8%がNoで確定したことも示されており、常にNoを選ぶだけで何の技能もなく約78%の成績になった計算です。こうした数字は50%ではなく、この基準率と比べてください。
  • Kalshiのキャリブレーション調査(自社公表、2026年8月):Kalshiは、予測した確率は現実の結果とよく一致し、時間、参加者、取引高とともに向上するとしており、取引高が約$10,000の市場や、トレーダーが20人しかいない市場でも有用な予測が得られると述べています。調査の詳しい数字はグラフの画像にしか載っていません。Yellowの報道によると、2021年から2026年半ばまでに確定した2,243,741の市場が対象です。当サイトはBrierスコアをKalshiのグラフと照合していないため、その数値は引用していません。Kalshiは、トレーダー数を除くすべてのデータを公開しているとしています。

自社公表の数字と独立した研究の数字は、対象のサンプル、時期、定義が異なるため、97%という見出しの数字と67%という研究結果は、どちらも正しいことがあり得ます。どちらも、次の市場について何かを保証するものではありません。

予測が外れた主な例

  • 2016年の米大統領選:PBS NewsHourによると、選挙当日の夜、PredictItのトレーダーはヒラリー・クリントン氏の勝率を約80%、集計サイトのPredictWiseは約89%と見ていました。
  • 2016年のブレグジット国民投票:賭けの市場は、最後の一週間、離脱派の勝利を約25%と見ていました。研究者のGelmanとRothschildは後に、市場は正しいという思い込みが市場を安定させすぎたと論じています。
  • 2025年のニューヨーク市長選の予備選:予備選当日の午後6時ごろ、Polymarketではクオモ氏が53%、マムダニ氏が47%でしたが、勝ったのはマムダニ氏でした。53%の本命が負けることは、53%という予測がおよそ47%の割合で起こり得るとしていたことなので、これだけでは予測が悪かった証拠にはなりません。
  • 2024年の米大統領選:市場は勝利したドナルド・トランプ氏を優勢と見ていましたが、同一の契約が取引所によって異なる価格で取引されていました。ClintonとHuangの論文をまとめたGood Authorityの記事によると、取引所をまたいで見ると、合計が$1になるはずのハリス氏とトランプ氏の契約が、選挙前の65日のうち62日でそうなっていませんでした。

価格を信用する前に:チェックリスト

  • 取引高とトレーダーの数:Kalshiが自社公表したデータでは、取引高とトレーダーが多い市場ほど正確でした。取引高の合計は慎重に扱ってください。誰がいつ測ったのかを確認し、コロンビア大学の研究がPolymarketの過去の取引高の約25%を仮装売買だった可能性が高いと推計していることも覚えておきましょう(Decryptの報道、2025年11月7日)。
  • スプレッド:大きく表示される数字だけでなく、ビッドとアスクを見てください。両者が10¢より離れていれば、Polymarketが表示しているのは直近の約定価格です。
  • 直近の約定の時刻:数時間前や数日前の価格は、今誰かが取引する価格から大きく離れているかもしれません。
  • 板の厚み:最良価格に何シェア並んでいますか?板が薄ければ、一つの注文で価格が動くことがあります。
  • 結果確定のルール:何をもってYesとするか、使われる情報源、期限、例外を正確に読みましょう。価格が対象としているのは、見出しではなく、書かれたとおりの契約です。
  • 結果確定までの期間:期間の長い価格は50%に向かって圧縮される傾向があり、金利や報酬の影響も受けます。
  • 手数料:価格にシェアあたりの手数料を加えて、実際の損益分岐点を確認しましょう。
  • ほかのプラットフォーム:同じ問いをほかのプラットフォームでも確認し、ルールが本当に同じかどうかを確かめましょう。両者の違いは、当サイトのPolymarketとKalshiの比較で説明しています。

よくある質問

Polymarketのオッズは何を意味する?

Yesシェアのセント単位の価格は、その出来事が起きる確率を市場がおおよそ何%と見ているかを表します。シェアは出来事が起きれば$1、起きなければ$0を支払うからです。Yesシェアが62¢なら、確率はおよそ62%です。これはトレーダー全体の見積もりであり、保証ではありません。

Polymarketのオッズの見方は?

表示される%をYesの確率として読み、そのうえでビッドとアスクを確認します。Polymarketが表示するのは両者の仲値で、両者が10¢より離れている場合は直近の約定価格です。そのため、ビッド34¢、アスク40¢で37%と表示されている市場で今すぐ買うと、40¢と手数料がかかります。

Polymarketの予測は正確?

Polymarketの自社公表の数字では、首位の結果が実際の結果と一致した割合は、結果確定の一か月前で90.2%、四時間前で98.5%ですが、サンプル数は示されておらず、同社の市場の大半はNoで確定しています。独立した研究の結果はまちまちです。価格は結果によく追随するとするワーキングペーパーがある一方、2024年の選挙市場の研究では、同一の契約の価格が取引所によって異なっていました。

Polymarketの価格をオッズに換算するには?

ドル建ての価格をpとすると、デシマルオッズ = 1 ÷ p、フラクショナルオッズ = (1 − p) ÷ p、アメリカ式オッズは50¢未満なら+100 × (1 − p) ÷ p、50¢超なら−100 × p ÷ (1 − p)です。つまり、手数料を除くと、25¢は4.00、3/1、+300、75¢は1.333、1/3、−300です。

PolymarketとKalshiでオッズが違うのはなぜ?

両者は別々の市場で、トレーダー、手数料、金利、使うお金(暗号資産ベースのpUSDか米ドルか)、ルール、結果確定の情報源が異なり、大きく表示される数字の計算方法も違う可能性があります。polymarket.comは米国居住者は利用できず(Polymarket USは別サービスのアプリです)、Kalshiは米国の規制を受ける取引所であり、多くの国がどちらか一方または両方へのアクセスを制限しています(PolymarketとKalshiを使える国・地域を参照)。Polymarketの規約は、VPNを使って制限を回避することを禁じています。手数料とスプレッドの合計より小さい価格差は、埋めるコストが得られる利益を上回るため、そのまま残ることがあります。

Kalshiの価格は何を意味する?

Polymarketと同じです。Kalshiは、Yesの価格がpセントならおよそp%の確率を意味するとしており、ヘルプセンターでは70%のコンセンサスをYes 70¢、No 30¢として示しています。大きく表示される数字が仲値なのか直近の約定価格なのかをKalshiは説明していないため、ビッドとアスクを確認してください。

予測市場のオッズの合計は100%になる?

ぴったりにはなりません。答えが複数ある市場では、アスクの合計は$1を少し上回り、ビッドの合計は少し下回る傾向があります。一方、表示される仲値や直近の約定価格の合計は、100%を上回ることも下回ることもあります。合計が100%になるというルールは、どちらのプラットフォームも公表していません。

Polymarketに表示される%は、実際に払う価格?

通常は違います。今すぐ買うとアスクを払うことになり、アスクは表示される仲値より高く、大きな注文はさらに高いアスクでも約定します。ほとんどのカテゴリではテイカー手数料も加わるため、アスク40¢で37%と表示されている政治カテゴリのシェアは、$0.4096かかります。

フェイバリット・ロングショット・バイアスとは?

安いロングショット(大穴)の契約が、価格が示すほどには当たらない傾向のことです。Kalshiについては、UCD(ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン)の研究で、10¢未満の契約の買い手は資金の60%超を失っていました。Polymarketについては、証拠がまちまちです。

予測市場は世論調査より正確?

これまでの研究では、正確なことが多いとされています。五回の米大統領選で、Iowa Electronic Marketsは74%の割合で964件の世論調査より結果に近いものでした。ただし、2016年のように市場が外れたこともあり、精度は取引高、期間、市場の設計によって変わります。

出典と検証

このページの事実はすべて、2026年9月24日に以下の出典で確認したものです。算出方法もご覧ください。数字は2026年9月時点のもので、手数料やプラットフォームのルールは頻繁に変わります。PolymarketやKalshiが自社について公表している統計には「自社公表」と明記しています。「仮定」と記した計算例は架空の板を使っており、計算過程はすべて示しています。

Polymarket:価格と板、手数料、市場とイベント、negative risk、ポジションとトークン、How Are Prices Calculated?、Does Polymarket Have Trading Limits?、Geographic Restrictions(地域制限)、精度ページ(自社公表)、利用規約。

Polymarket US:手数料表。

Kalshi:How are prices determined?、APY on Kalshi、How to read probabilities(自社公表)、キャリブレーション調査(自社公表)、板のAPIドキュメント、手数料表(2026年7月7日発効)。

規制当局:CFTC「Understanding Prediction Markets and Event Contracts」。

査読済み・出版済みの研究:Wolfers & Zitzewitz「Prediction Markets」(2004年)、「Interpreting Prediction Market Prices as Probabilities」(2006年)、Manski「Interpreting the Predictions of Prediction Markets」、Page & Clemen「Do Prediction Markets Produce Well-Calibrated Probability Forecasts?」(2013年)、Snowberg & Wolfers「Explaining the Favorite-Longshot Bias」(2010年)、Berg, Nelson & Rietz「Prediction market accuracy in the long run」(2008年)、Arrowほか「The Promise of Prediction Markets」(2008年)、Berg & Rietz「Iowa Electronic Marketsにおける相場操縦と精度」(2014年)、Rothschild & Sethi「Trading Strategies and Market Microstructure」。

ワーキングペーパーとプレプリント(査読前):Bürgi, Deng & Whelan「Makers and Takers: The Economics of the Kalshi Prediction Market」とVoxEUのコラム、Reichenbach & Walther「Accuracy, Skill, and Bias on Polymarket」、Cardozo & Rivero-Wildemauwe「The Favorite–Longshot Bias in Prediction Markets」、Le「Decomposing Crowd Wisdom」、Clinton & Huang「The Accuracy and Efficiency of $2.4 Billion in the 2024 Presidential Election」。

報道:YellowによるKalshiのキャリブレーション調査の記事、Good AuthorityによるClinton & Huangの論文の紹介、DL NewsによるClinton & Huangの論文の紹介、PBS NewsHour(2016年)、Slate(2016年)、Forbes(2025年)、CasinoBeats(2026年)、NPR(2026年)、NBC News(2024年)、Decryptの仮装売買に関する記事(2025年)、CoinDeskのウクライナの鉱物資源協定の市場に関する記事(2025年)、Decryptのゼレンスキー氏のスーツの市場に関する記事(2025年)。

PolyKalは独立したリサーチツールであり、PolymarketやKalshiとは提携していません。このページは予測市場の価格の仕組みを説明するものであり、財務・法律・税務上の助言ではなく、アカウントの開設や取引を勧めるものでもありません。

このページについて
事実確認日
2026-09-24
PolymarketとKalshiの手数料計算ツール契約数と価格を入力すれば、各プラットフォームが公開する計算式から、テイカー・メイカーそれぞれの正確な取引手数料がわかります。 計算ツールを開く →
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オッズの見方
価格は確率:予測市場のオッズの見方をわかりやすく解説(2026年)
2026年9月更新・2026年9月24日に出典を確認・財務上の助言ではありません

PolymarketとKalshiでは、Yesシェアは出来事が起きれば$1、起きなければ$0を支払うため、セント単位の価格は、市場が見積もったおおよその確率(%)として読めます。Yesシェアが62¢なら、確率はおよそ62%です。ただし、これはあくまで見積もりであって約束ではなく、スプレッド、手数料、取引の少なさ、結果確定までの期間の長さ、市場の厳密なルールによって、表示される数字が本当の確率からずれることがあります。

このページでは、画面の数字が実際には何を表しているのか、ブックメーカー式のオッズへの換算方法、手数料による影響、数字が誤解を招く場面、そしてこうした価格がどれほど正確だったかについての研究を説明します。価格の仕組みを説明するものであり、取引を勧めるものではありません。予測市場について初めて知る方は、まず予測市場とはをご覧ください。

基本ルール:62¢のシェアはおよそ62%の確率を意味する

予測市場の契約の多くは、YesかNoで答える問いです。Yesシェアは出来事が起きれば$1、起きなければ$0を支払い、Noシェアはその逆です。価格は$0から$1の間で動くため、Yesの価格が62¢ならおよそ62%と読め、対応するNoの価格約38¢は、出来事が起きない確率がおよそ38%であることを示します。

なぜそうなるのか:支払額が$1に固定されているため、シェアの価値は「当たる確率 × $1」になります。確率を70%と考えるトレーダーにとって、Yesシェアの価値は0.70 × $1 = 70¢で、そのあたりまでなら払ってもよいと考えます。55%と考えるトレーダーにとっての価値は55¢で、それより高ければ売ってもよいと考えます。価格が安すぎると考える人の買いと、高すぎると考える人の売りによって、価格はトレーダー全体の見方へと近づいていきます。

プラットフォームも米国の規制当局も、価格を同じように説明しています。Polymarketのドキュメントは「価格は、その結果の確率についての市場の見方を直接表す」としています。Kalshiのヘルプセンターは、70%のコンセンサスがYes 70¢、No 30¢として表示される例を挙げており、同社のブログは、Yesの価格がpセントなら「およそp%」を意味するとしています。CFTCの予測市場ガイドも、70セントの価格をおよそ70%のインプライド確率と読んでいます。

YesとNoは表裏の関係です。Polymarketでは、$0.60のYes注文と$0.40のNo注文は合計$1.00になり、新しいYesシェアとNoシェアを一つずつ発行することで約定させられます。KalshiのAPIドキュメントは、同じ関係を反対側から説明しています。価格XのYesのビッドは、価格$1.00 − XのNoのアスクと同じです。したがって、Noの最良ビッドが$0.56なら、Yesの最良アスクは$1.00 − $0.56 = $0.44です。

見ているのはどの数字?

市場には同時にいくつもの価格があり、ページに大きく表示される確率はその一つにすぎません。重要なのは次の価格です。

  • ビッド(bid):現在、誰かが買うために提示している最も高い価格です。今すぐ売れば、この価格を受け取ることになります。
  • アスク(ask):現在、誰かが売ってもよいとしている最も低い価格です。今すぐ買えば、この価格を払うことになります。
  • スプレッド(spread):アスクからビッドを引いた差です。Polymarketのドキュメントによると、スプレッドが狭いほど流動性の高い市場であることを示します。
  • 仲値(midpoint):ビッドとアスクのちょうど中間で、(ビッド + アスク) ÷ 2です。実際にこの価格で取引されるとは限りません。
  • 直近の約定価格(last trade):最後に約定した価格です。数分前のこともあれば、数時間前や数日前のこともあります。

Polymarketが表示する数字:Polymarketのドキュメントとヘルプセンターによると、表示価格はビッドとアスクの仲値で、スプレッドが$0.10より広い場合は代わりに直近の約定価格が表示されます。Polymarket自身の例では、ビッド34¢とアスク40¢から(0.34 + 0.40) ÷ 2 = 0.37となり、37%と表示されます。しかし、今すぐ買えばアスクの40¢を払い、今すぐ売ればビッドの34¢を受け取ることになります。その時点で37¢で取引している人はいません。

Kalshiが表示する数字:Kalshiのヘルプセンターとブログは、価格は市場の確率を反映しているとしていますが、大きく表示される確率が直近の約定価格なのか、仲値なのか、それ以外なのかを説明したKalshiのページは見つかりませんでした。Polymarketと同じルールだと決めつけず、その市場に表示されているビッドとアスクを確認してください。

板の使い方を順に解説したガイド:Polymarketでの買い方とPolymarketでの売り方。各プラットフォームの全体的な仕組み:PolymarketとKalshi。

スプレッドと板の厚み:表示される確率が当てにならないとき

スプレッドが狭ければ、買い手と売り手の見方がおおむね一致しているため、仲値は市場の見方をうまく要約しています。スプレッドが広い場合、市場が実際に示しているのは「ビッドとアスクの間のどこか」であり、一つの確率ではその幅が見えなくなります。

計算例(仮定):ビッドが20¢、アスクが35¢だとします。スプレッドは35 − 20 = 15¢で10¢より広いため、Polymarketは仲値ではなく直近の約定価格を表示します。その約定が数時間前の31¢だったなら、ページには31%と表示されますが、今この瞬間に買えるのは35¢、売れるのは20¢です。正直な読み方は「20%から35%の間のどこか」です。

板の厚み:最良ビッドと最良アスクが通用するのは、その価格で待機しているシェアの分だけです。Polymarketは注文数量に上限を設けていませんが、価格を大きく動かさずに、あるいはそもそも、特定の数量を取引できる保証はないと注意しています。たとえば、40¢に100シェア、42¢に100シェア、45¢に500シェアの売り注文がある場合(仮定)、$100で買えるのは、まず100 × $0.40 = $40.00分、次に100 × $0.42 = $42.00分、残りの$18.00 ÷ $0.45 = 40シェアです。合計240シェアで、平均価格は手数料を除いて$100 ÷ 240 = 41.67¢になります。

ですから、表示された確率を市場の見方として読む前に、ビッド、アスク、それぞれの価格に並んでいるシェアの数、直近の約定がいつだったかを確認してください。下のチェックリストにまとめています。

価格をデシマル・フラクショナル・アメリカ式オッズに換算する

インプライド確率(暗黙の確率)は、ドル建ての価格を100倍するだけで求められます。$0.37なら37%です。一方、スポーツベッティングではオッズで考えるのが一般的です。以下の標準的な換算式では、ドル建ての価格p(0から1の間)をそのまま使い、手数料は考慮していません。

  • デシマルオッズ = 1 ÷ p。賭け金$1あたりに戻ってくる総額で、賭け金も含みます。
  • フラクショナルオッズ = (1 − p) ÷ p。賭け金一単位あたりの利益で、「利益/賭け金」の形で書きます。
  • アメリカ式オッズ:50¢未満では+100 × (1 − p) ÷ pで、$100を賭けたときの利益を表します。50¢超では−100 × p ÷ (1 − p)で、$100の利益を得るのに必要な賭け金を表します。ちょうど50¢では+100(−100と同じ)です。
価格インプライド確率デシマルオッズフラクショナルオッズアメリカ式オッズ
10¢10%1 ÷ 0.10 = 10.000.90 ÷ 0.10 = 9/1+100 × 0.90 ÷ 0.10 = +900
25¢25%1 ÷ 0.25 = 4.000.75 ÷ 0.25 = 3/1+100 × 0.75 ÷ 0.25 = +300
50¢50%1 ÷ 0.50 = 2.000.50 ÷ 0.50 = 1/1(イーブン)+100(−100と同じ)
75¢75%1 ÷ 0.75 = 1.333…(4/3)0.25 ÷ 0.75 = 1/3−100 × 0.75 ÷ 0.25 = −300
90¢90%1 ÷ 0.90 = 1.111…(10/9)0.10 ÷ 0.90 = 1/9−100 × 0.90 ÷ 0.10 = −900

Kalshi自身のブログも、同じようなフラクショナルオッズの例を挙げています。Yesを25¢で買うことは、75¢を得るために25¢をリスクにさらすことで、三対一(3-to-1)にあたります。50¢は1-to-1、75¢は1-to-3です。

オッズから確率に戻す:デシマルオッズdなら1 ÷ d、アメリカ式の+Aなら100 ÷ (A + 100)、アメリカ式の−AならA ÷ (A + 100)です。つまり、+150は100 ÷ 250 = 0.40で40%、−200は200 ÷ 300 = 0.667で約66.7%です。

手数料を含める場合:pの代わりに、シェアに実際にかかる費用、つまり価格にシェアあたりの手数料を加えた額を使います(次の節を参照)。Polymarketの政治カテゴリの料率0.04では、25¢のシェアのテイカー手数料は0.04 × 0.25 × 0.75 = $0.0075なので、費用は$0.2575です。デシマルオッズは4.00から1 ÷ 0.2575 = 3.88に、アメリカ式オッズは+300から+100 × 0.7425 ÷ 0.2575 = +288に下がります。

答えが複数ある市場:価格の合計は100%になる?

選挙で誰が勝つかのように答えが複数ある問いは、結果ごとに一つずつのYes/No市場の集まりで、それぞれにYesとNoの価格があります。Polymarketの「negative risk」(ネガティブリスク)グループでは、Yesで確定する市場はちょうど一つだけで、ほかはすべてNoで確定します。また、ある結果のNoシェア一つは、ほかのすべての結果のYesシェア一つずつに変換できます。

表示される確率の合計が100%にならなければならないというルールは、PolymarketもKalshiも公表していません。以下はプラットフォームのルールではなく、単なる算術です。ちょうど一つの結果だけが$1を支払う場合:

  • アスクの合計は、およそ$1かそれ以上になるはずです。もし合計がそれより小さければ、すべての結果のYesを一つずつ買う費用が、手数料を除いて、そのうち一つが必ず支払う$1を下回ることになり、買いが入って価格が押し上げられます。
  • ビッドの合計は、およそ$1かそれ以下になるはずです。理屈は上の逆です。
  • 表示される数字は、100%を上回ることも下回ることもあります。仲値、古くなった直近の約定価格、端数処理の合計が、ちょうど一致するとは限らないからです。
計算例(結果が三つある仮定の市場):アスクが52¢、31¢、20¢なら、0.52 + 0.31 + 0.20 = $1.03です。ビッドが48¢、28¢、17¢なら、0.48 + 0.28 + 0.17 = $0.93です。仲値は50¢、29.5¢、18.5¢で、0.50 + 0.295 + 0.185 = $0.98となり、合計は98%と表示されることになります。

アスクの合計で超過している3¢は、すべての結果を一度に買う場合のコストです。これは取引所が取る手数料ではなく、スプレッドから生じています。各アスクを合計で割ると、合計が100%になるよう調整できます。0.52 ÷ 1.03 = 50.5%、0.31 ÷ 1.03 = 30.1%、0.20 ÷ 1.03 = 19.4%です。

実際の市場でも同じことが起きています。Forbesによると、2025年のニューヨーク市長選の民主党予備選の当日夜、Kalshiではクオモ氏が53%、マムダニ氏が48%で、合計は101%でした。

手数料込みの損益分岐点:価格+シェアあたりの手数料

今すぐ買う場合(「テイカー」として)、ほとんどの市場ではアスクに加えて手数料を払います。結果確定まで保有するなら、損益分岐となる確率は(支払った価格 + シェアあたりの手数料)÷ $1です。ポジションに払った費用だけの価値があるためには、その結果がこれより高い確率で起きる必要があります。ここでは金利や保有報酬は考慮していません。途中で売る場合は、スプレッドに加えて、ほとんどの市場でもう一度テイカー手数料がかかります。以下の料率は2026年9月時点のもので、頻繁に変わります。Polymarketの手数料を解説、Kalshiの手数料を解説、手数料計算ツールで確認してください。

  • Polymarket(polymarket.com):手数料 = シェア数 × 料率 × 価格 × (1 − 価格)で、テイカーだけに課されます。「メイカーに手数料が課されることはありません」。カテゴリ別の料率は、暗号資産が0.07、スポーツ・経済・カルチャー・天気・その他が0.05、金融・政治・メンション・テックが0.04、地政学が0です。手数料は小数点以下5桁に丸められます。
  • Polymarket US(別サービスの米国アプリ):テイカーの手数料 = 0.0695 × 契約数 × 価格 × (1 − 価格)で、最大は50¢で100契約あたり$1.74です。セント単位に丸められます(銀行型丸め)。メイカーは同じ計算式で0.0125の率のリベートを受け取ります。
  • Kalshi:テイカー手数料 = 0.07 × 契約数 × 価格 × (1 − 価格)の切り上げで、Kalshi自身の表では、たとえば50¢で100契約あたり$1.75です。手数料表には0.0175のメイカー用の計算式もありますが、メイカーの乗数は標準で0なので、メイカーは一般に手数料を払いません。ただし、メイカー手数料を課すシリーズや、手数料がまったくかからないシリーズもあります。決済手数料はありません。
取引先と料率シェアあたりの手数料損益分岐となる確率
Polymarket・地政学(0)$040.00%
Polymarket・政治(0.04)0.04 × 0.40 × 0.60 = $0.009640.96%
Polymarket・スポーツ(0.05)0.05 × 0.40 × 0.60 = $0.012041.20%
Polymarket・暗号資産(0.07)0.07 × 0.40 × 0.60 = $0.016841.68%
Polymarket US・テイカー(0.0695)0.0695 × 100 × 0.40 × 0.60 = $1.668、丸めて100契約あたり$1.67 = $0.016741.67%
Kalshi・テイカー(0.07)0.07 × 100 × 0.40 × 0.60 = 100契約あたり$1.68 = $0.016841.68%

セント単位で見ると、価格が両端に近いほど手数料の影響は小さくなりますが、比率で見ると必ずしもそうではありません。アスクが90¢の場合、Polymarketの政治カテゴリの手数料は0.04 × 0.90 × 0.10 = $0.0036で、損益分岐点は90.36%です。Kalshiの表では100契約あたり$0.63なので、損益分岐点は90.63%です。アスクが5¢の場合、政治カテゴリの手数料は0.04 × 0.05 × 0.95 = $0.0019で、損益分岐点は5.19%となり、相対的には価格より0.19 ÷ 5 = 3.8%高くなります。

Kalshiの端数処理ははっきりしません。手数料表(2026年7月7日発効)には、手数料と費用の合計がセンチセント($0.0001)単位になるよう手数料を切り上げるとありますが、同じ手数料表の中の表はセント単位で丸めており、APIドキュメントはさらに別の方法を説明しています。大きな注文ではほとんど影響がなく、上の100契約の例はKalshiの表と一致します。しかし、5¢で一契約だけ買う場合は違いが出ます。0.07 × 0.05 × 0.95 = $0.003325は、センチセント単位で切り上げれば$0.0034(損益分岐点5.34%)、セント単位で切り上げれば$0.01(損益分岐点6.00%)になります。

仲値の落とし穴:政治カテゴリの市場で、Polymarketが37%(ビッド34¢、アスク40¢)と表示しているとします。今すぐ買うとシェアあたり0.40 + 0.0096 = $0.4096かかるため、損益分岐点は37%ではなく約41%です。

板で待つ注文:板に並んで後から約定した指値注文には、Polymarketでは手数料がかからず、Kalshiでも標準では手数料がかかりません。そのため38¢で約定すれば、損益分岐点は38%です。Polymarket USではメイカーがリベートを受け取ります。−0.0125 × 100 × 0.38 × 0.62 = −$0.2945で、100契約あたり約$0.29が戻るため、損益分岐点は約37.7%です。

結果確定前に売る場合:この計算式は売りにも適用されます。政治カテゴリの市場で40¢で買い、後で40¢で売り、どちらもテイカーだった場合、費用はシェアあたり0.0096 + 0.0096 = $0.0192となり、価格が動いていないのに1.92¢の損失になります。これらの例では、Polymarketのテイカー向けリベートプログラムや、一定の取引量を超えたトレーダーに手数料の一部を戻すPolymarket USの取引量リベートは考慮していません。

価格が確率と一致しないとき

価格を確率として読むのは、最初の近似としては有効ですが、両者は同じものではありません。それがどんなときに成り立つのかを、経済学者が研究しています。

  • リスクに対する姿勢と見方の違い:WolfersとZitzewitzは、幅広いモデルにおいて、価格は通常トレーダーの平均的な見方に近く、その差はたいてい一パーセントポイント以内で、基準となるケースでは完全に一致することを示しました。差が最も大きくなるのは、価格が$0や$1に最も近いときです。Manskiは、トレーダーがリスク中立的で見方が分かれている場合、価格はトレーダーの見方がどれほどばらついているかについて何も語らず、平均的な見方を価格を中心とした一定の範囲内に絞り込むにすぎないことを示しました。
  • お金の時間価値と保有報酬:ポジションに投じた資金は、結果確定まで拘束されます。外部の金利をr、残り期間をT年とすると、リスク中立的なトレーダーは、最終的にqの価値があるシェアにおよそq ÷ (1 + r)^Tを支払います。したがって、r = 4%で残り一年なら、90¢という価格は、およそ0.90 × 1.04 = 0.936、つまり93.6%という見方と矛盾しません(当サイトによる試算)。現在はどちらのプラットフォームも利息に似た報酬を支払っており、当サイトの考えでは、これがこの差を縮めます。Polymarketは対象市場で変動制の保有報酬(Holding Rewards)を支払っており、執筆時点では年4.00%です。Kalshiは、残高が$250以上の対象となる米国の会員に、現金と未決済のポジションに対して変動制で3.25%を支払っています。
  • 手数料:前述のとおり、買い手の損益分岐点は表示価格より上に、売り手の損益分岐点は下にあります。価格を動かすのにかかる手数料が得られる利益を上回るというだけの理由で、価格が本当の確率から少しずれたままになることがあります。
  • 薄い板と大口トレーダー:厚みのない市場では、一つの注文で価格が大きく動くことがあります。RothschildとSethiによると、2012年、Intradeのあるトレーダーはロムニー氏の勝利に賭けられた全賭け金の三分の一超を占め、選挙当日には価格を維持するために$375,000超を投じ、$7M近くを失いました。一方、Iowa Electronic Marketsに関する研究では、相場操縦の試みの効果は短期間しか続かないことがわかっています。2024年には、あるトレーダーがPolymarketの四つのアカウントを使ってドナルド・トランプ氏に約$28.6Mを投じていました(NBC News)。Polymarketは、このトレーダーが市場を操作したことをうかがわせる情報は確認していないとしています。
  • ルールの文言:価格が表すのは、その契約が明文化されたルールのもとでYesで確定する確率であり、それは見出しの問いと常に同じとは限りません。Kalshiのある市場は、アリ・ハメネイ師が2026年3月1日より前にイランの最高指導者の座を離れるかを問うものでした。同師が2026年2月28日に死亡した後、Kalshiはルールにある死亡時の例外規定を適用し、死亡前の最終取引価格で決済しました。この市場の取引高は約$54Mで、トレーダーらは2026年3月5日に集団訴訟を起こしました(2026年3月9日のCasinoBeatsの報道による)。Polymarketは、自社のハメネイ師関連の市場で支払いを行いました。Polymarketにも、2025年のウクライナの鉱物資源協定の市場や、ゼレンスキー氏がスーツを着たかを問う市場など、結果確定をめぐって争いになった例があります。
  • ロングショット・バイアス:安い契約は、価格が示すほどには当たらないことが多くありました。根拠は次の節で紹介します。

予測市場はどれくらい正確だったか?

一つの結果だけでは、価格が正しかったか間違っていたかはわかりません。53%の本命は、およそ47%の割合で負けるはずだからです。精度は多数の市場を通して判断します。キャリブレーション(calibration)は、X%と値付けされた出来事が実際にほぼX%の割合で起きたかどうかを見ます。Brierスコア(Brier score)は(予測 − 結果)²の平均で、結果は1か0です。0が完璧で、常に50%と予測すると0.25になります。70%の予測は、出来事が起きれば(0.70 − 1)² = 0.09、起きなければ(0.70 − 0)² = 0.49です。

独立した研究からわかること

  • 初期の研究:WolfersとZitzewitzは2004年のレビューで、市場の予測はかなり正確で、「ある程度洗練されたほとんどのベンチマーク」を上回っていると結論づけました。1988年から2004年までの五回の米大統領選で、Iowa Electronic Marketsと964件の世論調査を比べたBerg、Nelson、Rietzは、市場のほうが結果に近かった割合を74%としています。Arrowらは、選挙前夜の平均誤差が、市場では約1.5ポイント、Gallupの最終世論調査では2.1ポイントだったと報告しています。
  • 長い期間:Intradeの1,787の市場を調べたPageとClemenは、満期が近い価格はかなりよくキャリブレーションされている一方、先の出来事ほど大きな偏りがあることを示しました。全体では、0.20の価格に対して実際の発生頻度は15.3%、0.80の価格に対しては87.4%でした。KalshiとPolymarketの2.92億件の取引を分析したLeの2026年のプレプリント(査読前論文)も同様に、期間の長い価格は50%に向かって圧縮されているとしています。
  • 2024年の米国選挙:ヴァンダービルト大学のClintonとHuangによるワーキングペーパーは、Iowa Electronic Markets、Kalshi、PredictIt、Polymarketの2,500を超える市場を対象としており、最後の五週間の取引額は$2.4Bでした。この論文によると、同一の契約の価格が取引所によって異なっており、裁定機会は最後の二週間に最も多くなりました。報道では、的中率はPredictItが93%、Kalshiが78%、Polymarketが67%とされていますが、各プラットフォームが上場していた市場は異なるため、同じ条件での比較にはなっておらず、Kalshiはこの方法に異議を唱えています。

フェイバリット・ロングショット・バイアス(favorite-longshot bias)

賭けの市場では、大穴には過剰に、本命には過小に賭けられる傾向があり、そのため安い契約は価格が示すほどには当たりません。競馬を研究したSnowbergとWolfersは、確率の誤認がこのパターンを生んでいると結論づけています。

  • Kalshi:ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのBürgi、Deng、Whelanによるワーキングペーパーによると、Kalshiの契約の平均リターンは約−20%で、メイカーは−9.64%、テイカーは−31.46%でした。10¢未満の契約の買い手は資金の60%超を失い、5¢の契約が当たったのは約2%だった一方、50¢を超える契約はわずかなプラスのリターンでした。また、満期が近づくにつれて価格はより正確になりました。
  • Polymarket:証拠はまちまちです。4.78億件を超える取引を対象としたReichenbachとWaltherのワーキングペーパーは、価格は実際の確率によく追随し、ブックメーカーのオッズをわずかに上回り、全般的なロングショット・バイアスは見られないとしています。5.88億件の取引を対象としたCardozoとRivero-Wildemauweの2026年9月のプレプリントは、10¢未満の契約のリターンが均等加重で−6.30%、金額加重で−19.35%だった一方、親イベントごとにまとめると+4.09%で、スポーツは例外だったとしています。答えは、期間、カテゴリ、リターンの数え方によって変わります。

各プラットフォームの自己評価(自社公表)

  • Polymarketの精度ページ(自社公表):首位の結果が実際の結果と一致した割合は、結果確定の一か月前で90.2%、一週間前で94.2%、一日前で96.4%、十二時間前で97%、四時間前で98.5%で、Brierスコアは0.0627です。このページには、サンプル数、対象期間、どの価格を使ったかが書かれていません。また、確定した市場の77.8%がNoで確定したことも示されており、常にNoを選ぶだけで何の技能もなく約78%の成績になった計算です。こうした数字は50%ではなく、この基準率と比べてください。
  • Kalshiのキャリブレーション調査(自社公表、2026年8月):Kalshiは、予測した確率は現実の結果とよく一致し、時間、参加者、取引高とともに向上するとしており、取引高が約$10,000の市場や、トレーダーが20人しかいない市場でも有用な予測が得られると述べています。調査の詳しい数字はグラフの画像にしか載っていません。Yellowの報道によると、2021年から2026年半ばまでに確定した2,243,741の市場が対象です。当サイトはBrierスコアをKalshiのグラフと照合していないため、その数値は引用していません。Kalshiは、トレーダー数を除くすべてのデータを公開しているとしています。

自社公表の数字と独立した研究の数字は、対象のサンプル、時期、定義が異なるため、97%という見出しの数字と67%という研究結果は、どちらも正しいことがあり得ます。どちらも、次の市場について何かを保証するものではありません。

予測が外れた主な例

  • 2016年の米大統領選:PBS NewsHourによると、選挙当日の夜、PredictItのトレーダーはヒラリー・クリントン氏の勝率を約80%、集計サイトのPredictWiseは約89%と見ていました。
  • 2016年のブレグジット国民投票:賭けの市場は、最後の一週間、離脱派の勝利を約25%と見ていました。研究者のGelmanとRothschildは後に、市場は正しいという思い込みが市場を安定させすぎたと論じています。
  • 2025年のニューヨーク市長選の予備選:予備選当日の午後6時ごろ、Polymarketではクオモ氏が53%、マムダニ氏が47%でしたが、勝ったのはマムダニ氏でした。53%の本命が負けることは、53%という予測がおよそ47%の割合で起こり得るとしていたことなので、これだけでは予測が悪かった証拠にはなりません。
  • 2024年の米大統領選:市場は勝利したドナルド・トランプ氏を優勢と見ていましたが、同一の契約が取引所によって異なる価格で取引されていました。ClintonとHuangの論文をまとめたGood Authorityの記事によると、取引所をまたいで見ると、合計が$1になるはずのハリス氏とトランプ氏の契約が、選挙前の65日のうち62日でそうなっていませんでした。

価格を信用する前に:チェックリスト

  • 取引高とトレーダーの数:Kalshiが自社公表したデータでは、取引高とトレーダーが多い市場ほど正確でした。取引高の合計は慎重に扱ってください。誰がいつ測ったのかを確認し、コロンビア大学の研究がPolymarketの過去の取引高の約25%を仮装売買だった可能性が高いと推計していることも覚えておきましょう(Decryptの報道、2025年11月7日)。
  • スプレッド:大きく表示される数字だけでなく、ビッドとアスクを見てください。両者が10¢より離れていれば、Polymarketが表示しているのは直近の約定価格です。
  • 直近の約定の時刻:数時間前や数日前の価格は、今誰かが取引する価格から大きく離れているかもしれません。
  • 板の厚み:最良価格に何シェア並んでいますか?板が薄ければ、一つの注文で価格が動くことがあります。
  • 結果確定のルール:何をもってYesとするか、使われる情報源、期限、例外を正確に読みましょう。価格が対象としているのは、見出しではなく、書かれたとおりの契約です。
  • 結果確定までの期間:期間の長い価格は50%に向かって圧縮される傾向があり、金利や報酬の影響も受けます。
  • 手数料:価格にシェアあたりの手数料を加えて、実際の損益分岐点を確認しましょう。
  • ほかのプラットフォーム:同じ問いをほかのプラットフォームでも確認し、ルールが本当に同じかどうかを確かめましょう。両者の違いは、当サイトのPolymarketとKalshiの比較で説明しています。

よくある質問

Polymarketのオッズは何を意味する?

Yesシェアのセント単位の価格は、その出来事が起きる確率を市場がおおよそ何%と見ているかを表します。シェアは出来事が起きれば$1、起きなければ$0を支払うからです。Yesシェアが62¢なら、確率はおよそ62%です。これはトレーダー全体の見積もりであり、保証ではありません。

Polymarketのオッズの見方は?

表示される%をYesの確率として読み、そのうえでビッドとアスクを確認します。Polymarketが表示するのは両者の仲値で、両者が10¢より離れている場合は直近の約定価格です。そのため、ビッド34¢、アスク40¢で37%と表示されている市場で今すぐ買うと、40¢と手数料がかかります。

Polymarketの予測は正確?

Polymarketの自社公表の数字では、首位の結果が実際の結果と一致した割合は、結果確定の一か月前で90.2%、四時間前で98.5%ですが、サンプル数は示されておらず、同社の市場の大半はNoで確定しています。独立した研究の結果はまちまちです。価格は結果によく追随するとするワーキングペーパーがある一方、2024年の選挙市場の研究では、同一の契約の価格が取引所によって異なっていました。

Polymarketの価格をオッズに換算するには?

ドル建ての価格をpとすると、デシマルオッズ = 1 ÷ p、フラクショナルオッズ = (1 − p) ÷ p、アメリカ式オッズは50¢未満なら+100 × (1 − p) ÷ p、50¢超なら−100 × p ÷ (1 − p)です。つまり、手数料を除くと、25¢は4.00、3/1、+300、75¢は1.333、1/3、−300です。

PolymarketとKalshiでオッズが違うのはなぜ?

両者は別々の市場で、トレーダー、手数料、金利、使うお金(暗号資産ベースのpUSDか米ドルか)、ルール、結果確定の情報源が異なり、大きく表示される数字の計算方法も違う可能性があります。polymarket.comは米国居住者は利用できず(Polymarket USは別サービスのアプリです)、Kalshiは米国の規制を受ける取引所であり、多くの国がどちらか一方または両方へのアクセスを制限しています(PolymarketとKalshiを使える国・地域を参照)。Polymarketの規約は、VPNを使って制限を回避することを禁じています。手数料とスプレッドの合計より小さい価格差は、埋めるコストが得られる利益を上回るため、そのまま残ることがあります。

Kalshiの価格は何を意味する?

Polymarketと同じです。Kalshiは、Yesの価格がpセントならおよそp%の確率を意味するとしており、ヘルプセンターでは70%のコンセンサスをYes 70¢、No 30¢として示しています。大きく表示される数字が仲値なのか直近の約定価格なのかをKalshiは説明していないため、ビッドとアスクを確認してください。

予測市場のオッズの合計は100%になる?

ぴったりにはなりません。答えが複数ある市場では、アスクの合計は$1を少し上回り、ビッドの合計は少し下回る傾向があります。一方、表示される仲値や直近の約定価格の合計は、100%を上回ることも下回ることもあります。合計が100%になるというルールは、どちらのプラットフォームも公表していません。

Polymarketに表示される%は、実際に払う価格?

通常は違います。今すぐ買うとアスクを払うことになり、アスクは表示される仲値より高く、大きな注文はさらに高いアスクでも約定します。ほとんどのカテゴリではテイカー手数料も加わるため、アスク40¢で37%と表示されている政治カテゴリのシェアは、$0.4096かかります。

フェイバリット・ロングショット・バイアスとは?

安いロングショット(大穴)の契約が、価格が示すほどには当たらない傾向のことです。Kalshiについては、UCD(ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン)の研究で、10¢未満の契約の買い手は資金の60%超を失っていました。Polymarketについては、証拠がまちまちです。

予測市場は世論調査より正確?

これまでの研究では、正確なことが多いとされています。五回の米大統領選で、Iowa Electronic Marketsは74%の割合で964件の世論調査より結果に近いものでした。ただし、2016年のように市場が外れたこともあり、精度は取引高、期間、市場の設計によって変わります。

出典と検証

このページの事実はすべて、2026年9月24日に以下の出典で確認したものです。算出方法もご覧ください。数字は2026年9月時点のもので、手数料やプラットフォームのルールは頻繁に変わります。PolymarketやKalshiが自社について公表している統計には「自社公表」と明記しています。「仮定」と記した計算例は架空の板を使っており、計算過程はすべて示しています。

Polymarket:価格と板、手数料、市場とイベント、negative risk、ポジションとトークン、How Are Prices Calculated?、Does Polymarket Have Trading Limits?、Geographic Restrictions(地域制限)、精度ページ(自社公表)、利用規約。

Polymarket US:手数料表。

Kalshi:How are prices determined?、APY on Kalshi、How to read probabilities(自社公表)、キャリブレーション調査(自社公表)、板のAPIドキュメント、手数料表(2026年7月7日発効)。

規制当局:CFTC「Understanding Prediction Markets and Event Contracts」。

査読済み・出版済みの研究:Wolfers & Zitzewitz「Prediction Markets」(2004年)、「Interpreting Prediction Market Prices as Probabilities」(2006年)、Manski「Interpreting the Predictions of Prediction Markets」、Page & Clemen「Do Prediction Markets Produce Well-Calibrated Probability Forecasts?」(2013年)、Snowberg & Wolfers「Explaining the Favorite-Longshot Bias」(2010年)、Berg, Nelson & Rietz「Prediction market accuracy in the long run」(2008年)、Arrowほか「The Promise of Prediction Markets」(2008年)、Berg & Rietz「Iowa Electronic Marketsにおける相場操縦と精度」(2014年)、Rothschild & Sethi「Trading Strategies and Market Microstructure」。

ワーキングペーパーとプレプリント(査読前):Bürgi, Deng & Whelan「Makers and Takers: The Economics of the Kalshi Prediction Market」とVoxEUのコラム、Reichenbach & Walther「Accuracy, Skill, and Bias on Polymarket」、Cardozo & Rivero-Wildemauwe「The Favorite–Longshot Bias in Prediction Markets」、Le「Decomposing Crowd Wisdom」、Clinton & Huang「The Accuracy and Efficiency of $2.4 Billion in the 2024 Presidential Election」。

報道:YellowによるKalshiのキャリブレーション調査の記事、Good AuthorityによるClinton & Huangの論文の紹介、DL NewsによるClinton & Huangの論文の紹介、PBS NewsHour(2016年)、Slate(2016年)、Forbes(2025年)、CasinoBeats(2026年)、NPR(2026年)、NBC News(2024年)、Decryptの仮装売買に関する記事(2025年)、CoinDeskのウクライナの鉱物資源協定の市場に関する記事(2025年)、Decryptのゼレンスキー氏のスーツの市場に関する記事(2025年)。

PolyKalは独立したリサーチツールであり、PolymarketやKalshiとは提携していません。このページは予測市場の価格の仕組みを説明するものであり、財務・法律・税務上の助言ではなく、アカウントの開設や取引を勧めるものでもありません。

このページについて
事実確認日
2026-09-24
PolymarketとKalshiの手数料計算ツール契約数と価格を入力すれば、各プラットフォームが公開する計算式から、テイカー・メイカーそれぞれの正確な取引手数料がわかります。
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データは、各プラットフォームで公開されているオンチェーンの動きと取引活動に基づいています。研究参考用であり、投資助言ではありません。過去の実績は将来の結果を示すものではありません。